「お腹空いた」は安心のサイン。
私が仕事を終える頃には窓の外のあちらこちらのお家から、いつも晩御飯のいい匂いが漂ってくる。
いつぞやは頑張ってひじきを炊いている時に«日清やきそば»の匂いがしてきて
「えーい!こんなもの!」ひじきを丸ごとひっくり返して
我が家も日清焼きそばにしたくなった位、誘惑的な匂いがした。
他にも甘辛いお醤油の煮詰まる匂いや、揚げ物の香ばしい匂い。
ケチャップやカレーの今にも胃袋が喜びそうな匂いが窓からしてくると、
「みんな頑張っているんだよ、あんたもファイト・ファイト!」と背中を押されている気になる。
親がどうだろうとお構いなしで、いつの日も子供は腹が減るんだもの。
話は変わるが、私は「お腹いっぱいの時は、悩みは止まる」と思ってここまで来た。
幼い頃から祖母に言われてきた【お腹いっぱいだと涙が止まるから、ほらお食べ】
というワードが刷り込まれているのだ。
若い頃に悩みすぎて食欲が落ち、余計な深みにはまっていってしまった事もあって、
以来、悩み事があると無理しても食べることは気を付けてきた。
【やけ酒】や【やけ食い】なども効果として同じくくりなのだろうか。いつか調べてみたい。
大きくなってから実際に、じゃりン子チエのおばあちゃんが
「ひもじい 寒い もう死にたい 不幸はこの順番で来ますのや」というセリフを目にした時、
戦時中には、なにかこういう教えがあったのかしらとも思ったのだった。
素敵なツイートがあったので引用させていただきます。
「ひもじい 寒い もう死にたい 不幸はこの順番で来ますのや」。『じゃりン子チエ』のおばあはんの名台詞を落ち込んでいるときに読み直す。たらふくメシ食おうぜコンチクショー。 pic.twitter.com/u5g8O8cUwQ
— ヒトリカンケイ (@hitorikankei) March 30, 2020
なので私は、子供達には【お腹いっぱい食べさせる】をテーマにしてきた。
もちろん無理強いはしないが、いつもより多く食べたり食が細いようだと
『今日はなにかいい事や嫌な事があったのかしら』とバロメーターとしても見てきた。
豪華じゃなくていい。いや、豪華が方がいいのだろうが。そうもいかん。
たくさん笑って、「うまいうまい」とお腹いっぱい食べた後の子供たちの顔。
見てるだけでこっちまで救われた気になる。
そう思ったら、私は毎日毎日「作らされている」んじゃなくて、
子供たちが大きな口で食べている姿を見て、勇気や活力みたいものを
もらっているのかも知れないなあと思ったのでした。
楽ちんに逃げる日も多くあるけれど、やはり【子供たちが食べている時の顔】は、
どんな表情だって忘れずに覚えていたい。
私だけにしか価値のない、けれど大きな宝物です。